Amazon Prime会員なら「楽園追放」を見るべし

Kindle Fire TV StickでAmazon Primeビデオにどんなのがあるか見ていたら、楽園追放があるじゃないか、アンジェラ・バルザックのお尻で有名な。




「傑作SFアニメなので見るべし」との話を聞いたが、肌にピッタリした露出の高いスーツでヒロインの少女がうろつくSFて…と思いつつ未見。
虚淵玄脚本は特に惹かれるものはない、というか知っているのは「まどマギ」だけである。
演出の京田知己さんは、確かエウレカセブンの監督だったか。
ということで本編開始。
一人、露出の高いスーツで街を行く主人公、アンジェラ・バルザック

うーん、日本のアニメはこういうところで「目を引く」ようにするのは、いいのか悪いのか。
特にオリジナル劇場版だと、何かで話題にしないとだしなあ。
でもまあ、しっかりSFな設定が組まれており、精神の電子化、管理社会の現実、人間の自由とは、人類の進歩とは、自我とは、人間とは!などなどSF要素を繋げつつの電脳空間やロボット、銃器、クローラーなどガジェットもバリバリ出しながら展開していく。
砂漠の街の感じとか、ビジュアルが上手い。さすが東映。現実の街もこんな感じで彩度が低そうである。最近だとシリア情勢の報道で目にすることがある。

メカの素材は何だろうな、ちょっと不思議な質感である。少し光沢のあるセラミックというか。現実のセラミックは焼き物なので、光沢はないのだが。最近の3DCGメカはこういうタッチが多いかも。金属光沢はあまりない。

終盤の落下しつつの戦いというシチュエーション、カメラワーク・構図にエウレカと近しいものを感じる。京田さんの画なのだと思う。板野サーカスっぽいところもあるなあ、もはや定番の描写方法だもんな…と思っていたら、クレジットにしっかり板野一郎氏。

それと、やはりSFはアニメで映える。
こんな画面、ミニチュアで作るにしても一体、いくらかかると思う?しかもCG+実写やミニチュア+実写だと割とショボかったりする。

その点、アニメは安上がりで凄いビジュアルを描き出せる。
想像だが、ジョージ・ルーカス監督もこういう画が作りたかったが、実写映画では莫大な費用をかけても大した画にならないので諦めた部分があるのではないかと思う。実際、CG技術がイマイチだったので「スターウォーズ」(後のエピソード4、77年公開版の無印)では描写を諦めたシーンがあるそうだ。
3DCGだから、オブジェクトを単体で作ったら複製(コピー)して並べていけばいいので楽になったろうな。
逆に3DCGは人間が面倒そうな上に、違和感が出やすいので大変だと思う。その所為か、アンジェラと同じ「エージェント」のキャラクターは終盤に3人しか画面に出てこない。しかも大体、バストアップより寄った構図。登場人物がとても少ない。
自分は登場人物を短時間で覚えるのが苦手なので、人物が少ないのは見やすくて助かるが、チープさが出てしまうので工夫のしどころである。
最後はどうするのかなーと思ったが、どっちに転んでもOKですね、うん。
キャラの格好がアレなので何となくキワモノだと思っていたら損であった!
アンジェラ・バルザック 16歳、いいと思います!

00年代SFの代表傑作に「ハーモニー」を推してやまない私だが、10年代SFなら「楽園追放」を推すものである。
10年代なら、「シドニアの騎士」もイチオシである。